自己紹介
カサネタリウムという名前で活動しています。 これまでに製作した作品は次のホームページに載せています。
ミエナイトデンワとは
遠くは離れた所に住む大切な人と向かい合って話ができる、見えない糸で結ばれた糸電話「ミエナイトデンワ」を製作しています。 これは紙コップ型のデバイスで、糸電話を使うときにように紙コップの底と底が空間的に向かい合った状態になった時だけ会話ができます。 そのコンセプトは2014年にはあったのですが、どうやったら実現できるのか、何から手をつけたらいいのかすらわからず、ずっと製作することができませんでした。 別の作品を作りながら開発してきた技術や知識を使うことで今の自分なら製作できる見通しが見えてきたため、現在開発を進めています。
現在の試作状況について
空間的に向かい合ったときだけ会話ができる、見えない糸で結ばれた糸電話というコンセプト自体はシンプルですが、開発すべき要素が多岐にわたるため、要素ごとに分けて試作を行なっています。
今できているのは、空間に仮想的に音源があって、その方向に紙コップを向けと音が聞こえてくるところまでが完成しています。 その動画がデモの様子です。ある方向に向いた時だけ音楽が聞こえてくるのがわかると思います。
ミエナイトデンワの中に内蔵したGPSセンサーで地球上の位置を取得し、地磁気センサー、加速度センサーによって、コップの姿勢情報を得て、仮想的に空間に配置した音源の方向に向いた時だけ音が聞こえてくるようになっています。
この技術の基礎となっているのが2016年に製作した『カサナビ』という作品です。 カサナビは目的の方向へ傘を倒す装置です。この作品で使っているGPSセンサーや地磁気センサーを使った目的地の方向の計算方式を使っています。
今後の予定
ミエナイトデンワを実現するためにはまだまだ開発しなければならない要素技術が多々あります。 その中でも代表的なものを3つあげると以下のようになります。
①2台のミエナイトデンワどおしの位置情報と姿勢情報のやり取り
②通話の実現
③デバイス化に必要な回路設計や形状設計
簡単に各要素について説明します。
①2台のミエナイトデンワどおしの位置情報と姿勢情報のやり取り
デバイスどおしが互いの位置情報を知る必要を知ることで向かい合っているかどうかを判断します。それにはGoogleやAmazonの提供するクラウドデータベースを活用する予定です。色々なサービスを試していますが、GoogleのFirebaseというサービスが最有力です。マイコン(ESP8266やESP32)のライブラリも公開されており、それを使うことを考えています。
②通話の実現
通話に必要となる音声のやり取りの部分を一から開発することは難しいため、既存の電話回線やLINEなどの通話アプリの音声通話をそのまま利用します。その音声会話をBluetoothを使って紙コップ型デバイスに送ろうと考えています。 その音声を送る方法は既存のデバイスを分解して、ペアリング機能をそのまま取り込む予定です。 もし余裕があれば格安ガラケー(mini R phone)が手に入ったので、分解して通話昨日をハックしたいとかが得ていますが、少々難易度が高そうです。
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③デバイス化に必要な回路設計や形状設計
以上の動作を1マイのマイコン(ESP8266またはESP32)を使って実現したいと考えています。 今はユニバーサル基板に直接半田付けしていますが、KiCadを使って基板化したいと考えています。 ケースについては3Dプリンタを使って設計予定です。
その他
電化製品は高機能化し、便利な方向へ進化してきました。 しかし、ミエナイトデンワは人の感情を揺さぶるというところに焦点を当ていてむしろ不便でです。 これまでにも感情を揺さぶるという観点から電球の中に心拍を保存する装置を製作してきました。 この作品は電球の中に今の心拍を保存しておき、その心拍が電球の明滅として蘇るというものです。
こうした便利な方向ではなく、感情に訴える方向に進化した電化製品があってもいいのではないかと考えています。 こうした感情を揺さぶるような電化製品を今後も作っていきたいと思っています。