ホイールをカリカリ言わせながら曲を選択するiPodの第4世代”iPod Photo”。 前面の白いフォルムタッチホイールと液晶のバランス、背面のピカピカに磨かれた金属光沢。 2004〜2005年頃に発売されていたiPodは憧れの的だった。しかし、当時学生だった僕にとっては高額で買うことはできなかった。
今ならメルカリで格安で売られている。 それを改造してみよう(その身はiPodのままで中身を入れ替えて面白いものを作ろう)と思い切って購入してみた。
購入したiPod photo は20Gで2,000円台で手に入れることができた。動作は未確認ということだが、どうせ改造する目的なので壊れていてもいいと思った。
届くとすぐに電源ケーブルをさして充電して起動してみた。Appleのりんごのマークが出てメニューが表示され、メニューが表示されるが、HDDが回転を始めるとすぐに落ちてしまう。それを無限に繰り返す…。壊れているじゃないか!
多分、電源が不安定で、駆動部であるHDD(ハードディスクドライブ)のモーターが回り始めたところで、電圧が不足して落ちているのだろうと予想した。 改造目的なので、修理する必要はないのだが、こいつを元に戻してやりたくなった。
まずiPodを開けた。iPodの分解は色々なところでやり方が公開されていた。前面のプラスチックと背面の金属の間の隙間に金属でできたギターのピックとよな分解道具を差し込んで簡単に開けることができた。
中にはHDD(青色のゴムで縁を囲まれている)が鎮座しており、その奥にバッテリーが。
ちなみにHDDのモーターの会社に勤めていた友人にこのHDDの画像を送ったところ、板金加工で作られたこのHDDは今では作られておらず珍しいのだそうだ。(金属の伸びを計算するのが大変で、今では削り出しらしい。)
その奥にあるバッテリー、多分このバッテリーが老朽劣化してHDDのモーターの回転に耐えられないのだと思う。
バッテリーを買ってきて交換したところ、復活。そうそう、このカリカリ音が懐かしい。みんなカリカリ回しながら選曲したり、ボリューム変えたりしてたんだ。
なおった。やっぱり電源死んでた。 pic.twitter.com/og8R04d8CT
— カサネタリウム / Yosuke Hori͛ (@kasanetarium) 2021年1月15日
そこでめでたし、めでたし、だったのだが、このiPod、前の持ち主の聞いていた曲や保存してた写真がのまま残っているじゃないか…。
この板金加工されたケースの中で回っているHDDの中に保存された曲や写真は、僕の知らない誰かが通勤や通学で聞いていた曲であり、見ていた写真だと思うとなんとも言えない気持ちになった…。
所詮1と0のデータ列でしかないし、そこに保存された曲にも写真にもなんの思い入れもないので、フォーマットして仕舞えば消えて無くなる。でも、元の持ち主にとっては大切な思い出だったのではないか?と思うと、特に毎日一緒だった思うiPodという端末だからこそそう思うのだが、そんな思いにふけってしまった。
その他
iPod photo の分解方法。このページを参考にiPodを分解しました。
このHDDを外して、もっと大容量のコンパクトフラッシュやSDカードに変えることもできます。 こちらはSDカードに帰る場合
こちらはコンパクトフラッシュに帰る場合。一旦コンパクトフラッシュに変換後、SDカードに変換する方法も。